香港の保険をより安全にする新しい取り組み｜香港保険・オフショア投資情報

保険の世界では、安定と安全を保つことが極めて重要であると考えられています。そのため香港保険業監管局（IA）は、7月6日、来年から香港保険業界にリスクベース資本（RBC）制度を導入するための法的枠組みを提供する新たな法案を可決したと発表しました。

新しい制度の下では、保険会社は自社の商品の期間や性質によってもたらされるリスクのレベルに基づいて追加資本を注入する必要があり、短期商品や単純な保険金では資本が少なくて済み、支払いが保証された長期保険ではより高い資本バックアップが必要となります。

この新制度は、保険会社が強固で予期せぬ問題にも対処できることを確認するのに役立ち、国際的な保険のハブとしての香港の地位を強化することにもなるといいます。

香港のRBC制度の枠組みは、保険規制に対して3つの柱から構成されています：
第一の柱：自己資本比率や 財務評価を含む定量的な自己資本規制
第二の柱：コーポレート・ガバナンス、企業リスク管理、自己リスクおよび支払能力の評価を含む定性的要件
第三の柱：規制当局への定期的な情報提出と、保険会社による一般向けの定期的な情報開示

上記のような3つの柱からなるRBC制度の枠組みですが、それぞれの柱をもう少し詳しく説明すると、
第一の柱の構想
どれだけのお金が必要か：最初の柱は、保険会社が円滑な経営を維持するためにどれだけの資金が必要かということです。万が一のために貯蓄が必要なのと同じように、保険会社も不測の事態をカバーするために十分な資金を持つ必要があります。RBC制度は、保険会社が直面するリスクに注目し、そのリスクに対処するためにどれだけの資金を持つべきかを決定します。

第二の柱の構想
リスクについてより明晰に：2つ目の柱は、リスクに関して賢くなることです。保険会社は、ルールに従うだけではダメだと言われています。何が問題で、どうすればそれを回避できるかを考える必要があるのです。つまり、担当者が深く関与し、会社が問題に対処するための計画を立てる必要があるということです。また、信頼できるデータを使用し、それが正確であることを確認しなければなりません。

第三の柱の構想
常に誠実であること：3つ目の柱は、常に誠実であることです。 保険会社は、規制当局、投資家、一般市民など、すべての人に自分たちが何をしているかを開示しなければなりません。そうすることで、誰もが何が起こっているのかを知ることができ、適切な判断を下しやすくなります。

なぜそれが保険をよりよいものにするのに重要なのか

では、なぜこのようなことが重要なのでしょうか？ RBC制度の枠組みは、保険会社に、より安全で信頼できる保険会社になるための明確なロードマップを与えるようなものです。保険会社はリスクをよりよく理解し、管理することができるようになり、その結果、人々は保険が必要になったときに保険会社をより信頼することができるようになります。

また、サンライフ香港社は、香港保険業監管局（HKIA）から既に承認を受けており、予定より前倒しでRBC制度に移行する市場の数少ない保険会社の一社となりました。

つまるところ、香港のRBC制度の枠組みは、香港の保険業界をより強くし、今日の世界の課題に備えるための大きな一歩なの です。 保険会社がその役割を適切に果たせるよう、優れた手段を提供するようなものです。IAがこの新しい制度の導入に向け準備を進めるにつれ、香港の保険環境はより安全で安心なものになることが期待されます。