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香港保険・オフショア投資情報
AXAの香港現地法人がバミューダから香港へ本拠地を移転|香港保険・オフショア投資情報
2026.02.02
AXAの香港現地法人がバミューダから香港へ本拠地を移転
国際金融センター香港と保険業界の変化
香港は長らくアジアの金融ハブとして機能してきました。株式市場や資産運用だけでなく、生命保険・損害保険の分野でも国際的な存在感を誇ります。
近年、香港保険市場では「レドミサイル(redomicile)」という動きが注目されています。これは、企業が登記上の本拠地をオフショア地域から香港へ移すことを意味し、2025年5月23日より、香港以外の企業が、簡素化された新しい制度の下で香港に本拠地を移転することができるようなったため、バーミューダなどのオフショア地域に籍を置いていた保険会社が、香港へ本拠を移すケースが増えているのです。
AXA香港のレドミサイル:市場に与えるインパクト
規制変更後、最初に手続きを開始したのはAXAでしたが、先に移行を完了したのはマニュライフとなりました。
これらの動きは、香港保険市場の信頼性と規制環境の強化を示す象徴的な出来事でした。香港政府は国際的な保険ハブとしての地位をさらに高めるため、規制の透明性や税制の安定性を整備しており、こうした動きは海外投資家や顧客に安心感を与えています。
そして現在は、サンライフ社の現地法人を含む、少なくとも他の3社の現地保険会社も同様の動きを計画しているといいます。
サンライフ香港の存在感
こうした市場環境の中で、サンライフ香港(Sun Life Hong Kong)は特に存在感を増しています。カナダに本拠を置くサンライフは、グローバルに展開する大手保険グループであり、香港はそのアジア戦略の重要拠点です。サンライフ香港は「生命保険会社オブ・ザ・イヤー」を3年連続で受賞するなど、商品力と顧客サービスの両面で高い評価を得ています。
日本人にとってもサンライフ香港は人気の高い選択肢です。理由は大きく三つあります。第一に、香港の保険商品は外貨建てが多く、円安局面で資産分散の手段となること。第二に、相続や資産承継を意識した長期的な商品設計が豊富であること。第三に、香港という国際金融センターの安定性と規制の信頼性です。日本国内では提供されないような柔軟な商品設計が可能となっています。
最近の業績:驚異的な成長
サンライフ香港の最近の業績は目覚ましいものがあります。2024年上半期には、新契約の年換算保険料(APE)が前年同期比で229%増という驚異的な伸びを記録しました。これは香港保険市場全体の29%増を大きく上回る成長率であり、同社の販売力と商品力の強さを示しています。特にブローカー経由の販売チャネルが好調で、APEは318%増と市場トップを維持しました。
この成長の背景には、香港保険市場全体の回復基調があります。コロナ禍で一時的に停滞した訪港需要が戻り、中国本土からの顧客が再び香港で保険を購入する動きが活発化しました。さらに、香港政府が保険業界の国際化を推進していることも追い風となっています。
日本人に人気の理由
日本人がサンライフ香港を選ぶ理由は、単なる投資目的にとどまりません。日本国内の保険商品は規制が厳しく、外貨建てや高利回りの長期商品は限られています。そのため、香港の保険は「資産形成」「相続対策」「国際分散投資」の三拍子を兼ね備えた魅力的な選択肢となります。
例えば、米ドル建ての終身保険は、為替リスクを伴うものの長期的には資産価値を維持しやすく、インフレヘッジにもなります。こうした点が、日本人富裕層や海外志向の強い層に支持されています。
香港保険市場の展望
香港は今後も国際保険ハブとしての地位を強化していくと見られます。再ドミサイル化の動きはその象徴であり、AXA香港に続く企業が増える可能性があります。サンライフ香港も、こうした市場環境を追い風にさらなる成長を目指すでしょう。特に中国本土からの需要、日本人を含むアジアの富裕層需要を取り込み、商品開発や販売チャネルの拡充を進めると予想されます。
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