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グローバル株式市場は強い勢いに支えられ、連邦準備制度理事会(FRB)の政策が依然として主要な要因となっている|香港保険・オフショア投資情報

2025.08.22

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グローバル株式市場は強い勢いに支えられ、連邦準備制度理事会(FRB)の政策が依然として主要な要因となっている

今年、世界的な株式市場は、金利に関する持続的な不確実性と継続的な地政学的緊張にもかかわらず、強い上昇局面を呈しています。8月中旬現在、MSCIワールド指数とMSCI新興市場指数はともに二桁の利回りを記録しています。投資家のセンチメントは、堅調な企業業績と、金融政策がさらに支援を提供するとの期待に支えられ、依然として前向きな状態を維持しています。

注目は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)に移っています。9月17日の会合は、今後数ヶ月の市場動向を左右する重要な節目となる可能性があります。債券市場では既に、利下げの可能性が織り込まれており、多くの市場参加者はこれを現在の強気相場を継続させる潜在的な触媒と見ています。しかし、FRBの政策方針は決して単純なものではありません。

雇用とインフレのバランス

最近のデータは、FRBが直面する二重の課題を浮き彫りにしています。かつて経済の柱だった米国の労働市場は、疲労の兆候を示しています。7月の雇用状況報告書では、非農業部門の雇用者数がわずか7万3,000人増加したのみで、前月の数値も2万人未満に下方修正されました。これにより、成長への下振れリスクが懸念されています。

一方、インフレが再び高まりつつある兆候が見られます。7月の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)はともに上昇を記録し、年間インフレ率は3%近くまで上昇し、FRBの2%の目標を上回っています。この上昇の一部は、政策当局者が一時的な要因とみなす可能性のある関税の影響によるものかもしれませんが、持続的なインフレのリスクは排除できません。

政策見通し:9月の利下げが濃厚

労働市場の軟化とインフレ圧力の微妙なバランスにもかかわらず、FRBは9月の利下げに傾いている模様です。複数の政策当局者が既に緩和姿勢を示しており、7月の会合での反対意見——2人のメンバーが利下げを主張した——は、緩和傾向の強化を浮き彫りにしています。さらに、スティーブン・ミラン氏の連邦公開市場委員会(FOMC)への任命が確実視される中、トランプ大統領からの政治的圧力も加わり、早期の行動期待を後押ししています。

市場はしたがって、FRBが成長支援を最優先するものと見込んでおり、短期的に目標を上回るインフレを容認する可能性もあると予想しています。

グローバル株式への影響

投資家にとって、米国の利下げはリスク資産へのさらなる後押しとなります。今年すでに好調なパフォーマンスを示している新興市場において、特に、借入コストの低下は、株価の支援、流動性の向上、株式への資金流入を促す傾向にあります。

同時に、世界最大の経済圏における緩和的な金融政策は、地政学的緊張やグローバルな貿易不確実性によるマイナス影響を一部相殺する可能性があります。

それでも、楽観主義は慎重さをもって抑制されるべきです。インフレが予想以上に急激に加速した場合、FRBは2025年後半に困難なトレードオフを迫られる可能性があり、成長が鈍化するタイミングで政策を引き締める必要に迫られるかもしれません。このようなシナリオは、リスクセンチメントに逆風となるでしょう。

慎重な楽観主義

短期的に見ると、株式市場の展望は依然として前向きです。FRBが金利引き下げに転換する見通しは、投資家が今後の経済指標を注視する中でも、上昇トレンドの継続を支援するでしょう。今年すでに世界的な市場が大幅に上昇している中、強気相場の持続可能性は、最終的にFRBが成長の促進とインフレ抑制の適切なバランスを保つ能力に左右される可能性があります。

現時点では、慎重な楽観論が妥当なようです。上昇相場は維持されていますが、その持続可能性は、金利引き下げが投資家が期待する経済的な緩衝効果をもたらすかどうかによって左右される可能性があります。

 

 

 

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