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世界競争力ランキング2025 香港3位 = IMD (国際経営開発研究所)|香港保険・オフショア投資情報

2025.06.26

その他金融情報

世界競争力ランキング2025 香港3位 = IMD (国際経営開発研究所)

このコラムでも毎年取り上げている『世界競争力ランキング』。

スイス国際経営開発研究所(IMD)は6月17日、世界69ヶ国・地域の経営環境を評価した「世界競争力ランキング2025」を発表しました。香港は昨年から2つ順位を上げ、スイスとシンガポールに次ぐ3位となり、2019年以来初めてトップ3に返り咲きました。スコアは100点満点中99.2点で、今回のランキング上位10の中で前年比の上昇幅が最も大きく、このランキングは最近の政府の政策と戦略的改革の有効性を象徴しています。

香港は国際的な舞台で決定的な復活を遂げ、金融・ビジネスにおける有数の国際都市としての地位を確固たるものにしています。経済発展、ビジネス環境、国際的地位の活性化の勢いが強調されており、数年の困難な時期を経て、明確な上昇軌道を描いています。

この躍進は、評価を決める4つの指標全てで香港は、「政府の効率性」(2位)、「ビジネスの効率性」(2位)、「経済パフォーマンス」(6位)、「インフラ」(7位)と順位を上げました。

香港は、引き続き国際的な金融、貿易、海運の中心地としての地位を強化・向上させるための改革を積極的に推進しており、企業や人材の獲得に力を入れています。戦略企業誘致局は、80社以上の戦略企業が香港に事務所を設立するよう誘致しており、今後数年間で総額500億香港ドルの投資をもたらし、2万人以上の雇用創出を目指しています。

その他にも、2024年9月に発表されたZ/Yen Global Financial Centres Index (GFCI)では、香港はシンガポールを抜いてアジアトップの金融ハブの座を奪還し、ニューヨーク、ロンドンに次いで世界第3位にランクされています。

また、今回のランキングを受け、李家超行政長官は、「香港は中国の優位性と世界の優位性の両方を享受している。我々は香港の『付加価値を与えられる国際的な窓口』としての役割を引き続き活用し、国際交流と協力を強化し、地域貿易を拡大・深化させ、新市場を開拓し、活力ある経済を構築し、あらゆる面で発展に努め、人々の生活を向上させることを目指します」と述べました。

一方、日本は昨年から3つ順位を上げ、35位となり、G7(主要7ヶ国)では6位でした。
雇用や科学インフラ、健康・環境の項目が10位以内にランクインし、多くの項目で前年調査から改善されましたが、国内経済や教育の分野で大きく順位を落としました。

今後の日本については、以下のような課題が挙げられています。

人材の国際性の低さ

人材競争力は43位と横ばいですが、国際性の評価が低く、過去最低順位を継続しています。優秀な海外からの人材誘致やグローバルな視点・価値観を持つ人材の育成が課題に挙げられています。

ビジネスの効率性の低さ

企業の技術革新や利益に繋がる「ビジネスの効率性」は51位と、主要先進国の中で低い水準に留まっています。この原因として、生産性の低さや、何十年も前から変わらない手作業に頼った非効率な業務プロセス、スキル不足、コミュニケーション不足などが要因として挙げられています。

デジタル競争力の遅れ

デジタルスキルを使いこなせる人材の育成が遅れていることや変化の激しいデジタル時代に対応する俊敏性が低く、企業の古いシステムはグローバル競争力を低下させる要因となっています。

教育の遅れ

文科省の学習指導要領による一元管理が長期にわたって続いており、教育方針を10年単位で改訂するような現行の仕組みでは、目まぐるしく変わる現代の経済・技術・社会情勢には到底対応できないため、現行の教育システムには大幅な改革が必要でしょう。

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